ファブリカリウム東京2023

日本とフランス両国で協力して東京でインクルーシブ・メイカソン * “FABRIKARIUM TOKYO 2023 ( ファブリカリウム東京 2023)” を開催します。 ケア・リハビリ分野のものづくりにぜひご参加ください。

2023年5月4日[木]—6日[土]

会場:日本科学未来館 7階 イノベーションホール、コンファレンスルーム

参加費:9,000円 (※日本科学未来館の常設展、特別展、ドームシアターの観覧には入館料が必要となります。)

募集人数:50名

ご参加者層:障害などのニーズを持った当事者の方/支援者の方、エンジニア/プログラマ/ファブリケイター/デザイナー/ものづくりに関心のある方、作業療法士・理学療法士・看護師ほか、興味関心のある方、ものづくり初心者の方も歓迎です。

〈ご参加にあたっての注意事項 (2023.2.14 追記)〉
・ご参加の方は、可能な限りご自身のノートパソコンをご持参ください(記録や製作に使用します)。
・メイカソンのご参加応募が募集人数を超えてしまった場合は、3日間通してご参加可能な方を優先させていただく場合がありますことをご了承ください。


開催概要

1日目:チームビルディングなど (10:00 ~ 17:00)
  • ニードノウアからのヒアリング*
  • チーム分け
  • アイデアスケッチ
  • プロトタイピング
  • ウェルカムパーティ (※別途参加料金のお支払いが必要です)
2日目:プロトタイピング (10:00 ~ 17:00)
  • プロトタイピング
  • 関連活動/研究のショーケース
3日目:プロトタイピング/成果発表 (10:00 ~17:00)
  • プロトタイピング
  • 成果発表*
  • パネルディスカッション*

* 同時通訳あり

※会期終了後も、このメイカソンで作成したプロトタイプは継続的に見直しを重ね、よりよい形にアップデートを続けます。

〈テーマとニードノウア*のご紹介〉

*ニードノウアについては、下記「インクルーシブ・メイカソン」についてをご参照ください。



#1 GADGET TOOLS – BIONICO HAND
パーツを変えて使える義手を提供したい
ニコラさん Nicolas-san

Bionicoは、BionicとNicolasを縮めた造語です。このイベントを共催する My Human Kit (フランス、レンヌ) の共同設立者であるニコラは上肢の切断者で、前腕の筋肉の収縮によって動かせる筋電義手を使っています。しかし、定期的に故障してしまうため、ニコラは、自分で修理できる筋電義手のプロジェクトを進めています。今回は、その最初のプロトタイプを用いて、何人かの義手が必要な方に試してもらう予定です。 Gadget toolsは、切断者が筋電装置を介さずに、先端のパーツを変えて活動できるようにするものです:テーブルスプーン、皿受け、ナイフ、ドラムスティック、ハンマー、ピンポン玉、ビリヤードのキューなど。皆さんの多様な楽しみを叶える道具を一緒につくりにいらしてください!


[ Need Knowers for Gadget Tools ]
#1-1 小料理屋を開いてキッチンに立ちたい
小野さん Ono-san

小野さんは数年前、仕事中に左前腕切断の事故に遭いました。そして3年前から手の角度調節と簡単な握り放しのできる電動義手を使っています。
現在は郵送物を取り纏める業務についていますが、以前は調理関係のお仕事に従事されていました。
そんな小野さんには夢があります。
もし、より自分に合った義手がつくれるなら小料理屋を経営してみたいと思っています。そしてフライパンやナイフを操作してお肉やお魚、厚焼き卵や簡単なおつまみを調理できるようになりたいと思っています。
今回はそんな目標を叶えるための義手作りにチャレンジします!


#1-2 趣味の料理をもっとやりやすく、そして人の手を借りずに食事を楽しみたい
河辺さん Kawabe-san

河辺さんは先天性の左前腕欠損で、現在は装飾義手を使用しています。
以前、能動義手や筋電義手の使用を検討したことがありますが、適合せずに作成するに至りませんでした。
今は高校3年生。大学に進学予定でアルバイト先を探しているところです。
そんな河辺さんは、料理が好きでオムライスやチャーハン、お菓子やパンもつくります。
自分にもっと合う義手が手に入ったら、具材を左手で固定して切るなど料理をしやすくしたいとのこと。
またステーキを自分で切って食べたり、お茶碗や丼を持ってかき込んで食べたりすることも憧れています。それができることで家族や同席している人の助けを借りなくてすむのでストレスが軽くなります。
さらに、体を鍛えるために懸垂ができるトレーニング用の義手もあるといいです!と仰っています。
今回はそんな希望を叶えるための義手作りに挑みます!



#2 MIRAI CAN SEE
視覚障害があっても科学未来館をもっと便利に楽しみたい
南谷さん
 Minatani-san

生まれつき視覚障害のある南谷さんですが、現在は研究者として大学で視覚障害者のための3Dプリンタ活用をリードするなど、アクティブに活動しています。
また日本全国の視覚障害者の方に、より多くの学習や体験の機会を提供したい!と奔走しています。
今回はメイカソンの会場である日本科学未来館を視覚障害の方により開かれた科学体験施設にするために参加します。
またその先には、他の博物館にも横展開できるようにカジュアルにアレンジできるメソッドを定型化できればと考えています。
今回はそんな南谷さんの希望を叶える仕組み作りにチャレンジします。



#3 LEG IT GO

※タイトルが変更になりました。内容に変更はございません。(2023.2.20付)

「歩くこと」をもっと快適に—転ばぬ先の杖
藤田さん Fujita-san

藤田さんは、4歳の頃ポリオ様麻痺と診断され、両下肢が不自由な状態です。現在は右脚の機能は改善しましたが、移動時には左脚は長下肢装具と杖または車椅子が必要な状況です。フランスのナントの高等美術学校でアートを学び、現在もアート制作を継続されているアクティブな藤田さんには、悩みがあります。
濡れていて滑りやすい床では杖も滑りやすく、恐る恐る歩いています。以前は転ぶこともありました。
そのため、日常生活において歩く機会が減ってしまい、筋力や耐久力が落ちてきています。
また、下肢装具は少し古くなってきていて不具合が出てきています。しかし長年使用しているため、使い慣れている側面もあります。
現在の装具のモデルを引き継ぎつつ、改良した装具を今後使用し続けることができる仕組みや工夫があると嬉しいとのことです。
もっと安心して快適に歩くことが出来れば、歩く機会も増えて筋力や体力が維持できて安心です。
今回は杖や装具の改良にチャレンジします。


#4 NOTABOO
自分で使える携帯温水洗浄マシンをつくりたい
ジェロームさん Jérôme-san

ジェロームさんは前腕の運動障害があるため、温水洗浄便座を使用しています。しかしフランスでは、バンで移動する際にそのようなトイレはなく、携帯式の温水洗浄便座を使用するには手に十分な能力がありません。NOTABOO は、彼の障害に合わせたプロトタイプで、どこにでも持ち運べる自己完結型のトイレです。NOTABOO は、リチウム電池と充電器、小型の水ポンプ、そしてボタンひとつで水洗いができるコントローラーが入った箱で構成されています。1リットルのボトルが水タンクとして機能し、便座に取り付けられるノズルホルダーで噴射の方向を調整できます。持ち運びを重視した、電源不要の温水洗浄便座システムの開発に一緒に参加してみませんか?



#5 EYE SHOW
視線入力やスイッチ操作で複数のメディアを操作し、音楽セッションや空間演出をしたい
梶山さん Kajiyama-san

梶山さんは、筋ジストロフィーによる重度の運動機能障害があります。音楽好きでアクティブな梶山さんは、深夜のライブや野外フェスにも積極的に参戦してこられています。現在、わずかに動かすことのできる左母指や頬などの動きと視線の動きを様々なデバイスに適合させて、高難度のゲームやドローン操縦も行います。今回のチャレンジは、巧みな操作技術を活かし、音楽のセッションをしたり、ビジュアルエフェクトも制御することです。
そんな梶山さんのチャレンジに一緒に参加してみませんか?

〈成果発表イベント〉

2023年5月6日[土] 13:00 ~ 17:00

入場無料・同時通訳付
Entrée libre / Interprétariat simultanó

定員:150名

3日間の成果を各チームから公開イベントの場で発表し、下記にご紹介するゲストパネリストからレビューをいただきます。
そのレビューを受けて、「共創のどんなところが我々を豊かにするのか」についてパネルディスカッションの機会を設けます。

成果発表イベント パネリスト

落合 陽一 (メディアアーティスト)
Yoichi OCHIAI, artiste médiatique

1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。
筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター長、准教授。
IPA認定スーパークリエータ/天才プログラマー.ピクシーダスト テクノロジーズ株式会社代表取締役。

上平 崇仁 (デザイン研究者)
Takahito KAMIHIRA, chercheur en design

専修大学ネットワーク情報学部教授。近年はデザイナーだけでは手に負えない複雑/厄介な問題に取り組むためのコ・デザインの仕組みづくりや、人類学の視点を取り入れた自律的なデザイン理論について研究している。著書に「コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に」(NTT出版/単著)など。

ニコラ・ユシェ (筋電義手プロジェクトリーダー)
Nicolas HUCHET, chef de projet Bionicohand

2002 年労災により片手を失った彼は、シンプルな義手を装着して生活していた。2012 年にファブラボと出会い、共同作業を通じて、 筋電義手の専門家として知られるようになる。製作者、講演者、そして限界をモチベーションに変えるための技能の総括者として活動している。

林 園子 (作業療法士)
Sonoko HAYASHI, ergothérapeute

一般社団法人ICTリハビリテーション研究会代表理事、ファブラボ品川ディレクター。作業療法士として、20年以上臨床に携わる傍ら、デジタル工作機械を介護やリハビリテーションの現場で活用する啓蒙普及活動をしている。著書に「はじめてでも簡単!3Dプリンタで自助具をつくろう」など。

ルイーズ・デヴィーニュ (支援ロボット工学研究者)
Louise Devigne, researcher

Louise Devigne は、Inria Rennes の Rainbow チームにて、Innovation, Disability, Autonomy, and Accessibility (IH2A https://ih2a.insa-rennes.fr/) の学術委員会の研究プロジェクトに属する支援ロボット工学の研究者です。彼女の研究は、医療専門家、リハビリテーションサービスの利用者、患者との密接な協力のもと、利用者中心のアプローチで、障害者のための革新的な支援技術の共同設計に重点を置いています。研究室での研究から、エンドユーザーによる使用評価や臨床調査(ユーザー主導の共同設計手法、臨床調査の立ち上げ、倫理委員会、医療機器規制)まで、幅広い活動を行っています。

“FABRIKARIUM TOKYO” とは

“FABRIKARIUM” とは、フランスのプロジェクトとして行われているインクルーシブ・メイカソン* の別名です。”FABRIKARIUM TOKYO” は、日本とフランスの参加者が東京に集い、開催するメイカソン の名称で、2023年5月の開催を目指して準備を進めています。

「インクルーシブ・メイカソン」とは?

メイカソンは、「メイク(make)」と「マラソン(marathon)」を掛け合わせた造語で短期間にものづくりをするイベントです。
インクルーシブ・メイカソンは、障害のある人やその支援者を「ニードノウア(Need Knower・ニーズを知る人)」と呼び、そのニードノウアをチームメンバーに迎え、3Dプリンタなどのデジタル工作機械も活用し、その人が本当に欲しい道具作りに挑んでいます。
3Dプリンタなどのデジタル工作機械を使うことで、データを活用しながらものづくりに取り組み、道具のかたちをデータとして保存し、伝えることができます。
そのメイカソンで作った道具は、似通った困難を抱える世界中の人たちも使えるよう、データと物語をプラットフォームで公開しています。
そのことで誰かの「できるを増やす道具」を「ともにつくる」イベントです。
世界中のよりよい明日のために、ご参加とご協力を宜しくお願いいたします!

主催

ファブラボ品川 (日本)
My Human Kit (フランス)

共催

一般社団法人 ICT リハビリテーション研究会 (日本)
クロス・ダイバーシティ (日本)

後援

公益財団法人テクノエイド協会
一般社団法人日本リハビリテーション工学協会

協力

日本科学未来館

特別協賛

在日フランス大使館
BNPパリバ銀行 東京支店
MAAF
Région Bretagne

プラチナスポンサー

ユニチカ株式会社/ユニチカトレーディング株式会社

ゴールドスポンサー

シルバースポンサー

DIC 株式会社

ブロンズスポンサー

株式会社ニッシリ

マテリアル・機器スポンサー

株式会社グーテンベルク
ラピセラ株式会社
株式会社ヨコハマシステムズ
テクノツール株式会社

協力

エイチタス株式会社
スクーミー株式会社
青山学院大学革新技術と社会共創研究所
INSA
IH2A
Inria
Humanlab Saint-Pierre
Lycée Saint Aubin La Salle




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